WordPressで「ディスクへのファイルの書き込みに失敗しました」エラーが出たときの解決事例（さくらインターネット編）

■ ご相談内容

お客様から「WordPressの管理画面で記事は投稿できるのに、画像が一切アップロードできなくなった。
エラーメッセージは 『ディスクへのファイルの書き込みに失敗しました』 と表示される」とのご相談をいただきました。

「昨日までは普通に使えていたのに突然エラーになった」とのことで、よくあるパーミッション設定ミスやディスク容量不足とは違う雰囲気です。

■ 初期調査

• ディスク使用量：400GB中50GB程度で空き十分
• wp-content/uploads のパーミッション：755で問題なし
• プラグインをすべて停止 → 改善せず
• テーマを変更 → 改善せず

記事本文は保存できるのに、画像や添付ファイルだけ失敗する。
サーバーのエラーログにも「Permission denied」の文字が出ており、アプリ側ではなくサーバー側の問題が疑われました。

■ さくらインターネットサポートからの指摘

お知らせの情報をもとにサーバーの利用状況を確認したところ、お客様にて利用可能な一時ファイルの保存領域に関して容量の上限に達している状態でございました。 そのため、データ量の少ないファイルのやり取り（テキストのみのメールやり取りなど）であれば行えるものの、データ量の大きな処理は行えない状態となっているものと見受けられます。 つきましては、FTPソフトにて /var/tmp にアクセスいただき、所有者が「nazi」あるいは「1049」となっている不要なファイルを削除いただき、挙動が変化するかをご確認いただけますでしょうか。 ※参考情報として、お客様のWEBサイト用のデータが設置されているのは /home/●●●/www 配下であり、最上位ディレクトリに移動した後に /var/～ へと移動いただくこととなります。

WordPressは画像アップロード時、まず一時的にファイルを /var/tmp に置きます。
ここが満杯になるとファイルの書き込みに失敗し、「ディスクへのファイルの書き込みに失敗しました」 というエラーが出ます。

■ 実際の対応

問題は、この /var/tmp が さくらのファイルマネージャーからはアクセスできない 点です。そこで FFFTP を使用しました。

1. FFFTPでサーバーにログイン
2. /home/アカウント名 から上の階層へ移動し /var/tmp へ
3. wpid-wp-xxxx.tmp というWordPress由来の一時ファイルが大量に残っているのを確認

これはバックアッププラグイン（wpvivid）が生成して消し忘れたファイル群でした。
所有者の自アカウント（UID 1049）のファイルを削除したところ、容量が解放され再び画像アップロードが可能になりました。

■ 解決後の状態

• WordPress管理画面から正常に画像アップロードが可能に
• メールの添付ファイル送受信も同時に復旧

■ 再発防止のポイント

• /var/tmp はサーバー共通の一時領域 → 放置するとすぐに溜まる
• FTPで定期的にアクセスし、自アカウント所有の .tmp ファイルを削除
• php.ini の upload_tmp_dir を /home/アカウント名/tmp に変更して専用領域を利用
• バックアッププラグインの保存先を wp-content/uploads 配下に変更

■ 不明な点・注意点

今回 /var/tmp に大量に溜まっていた一時ファイルは、おそらくバックアッププラグイン（wpvivid）が原因と考えられます。
ただし、他のプラグインやWordPress本体の処理で残った可能性もあり、必ずしも原因をひとつに特定できるわけではありません。

また、/var/tmp 内にはサーバーシステムが利用するファイルも存在するため、削除する際は必ず自分のアカウント所有のファイルだけを対象 にしてください。